自分の気持ちほど信用ならないものはない

旦那との入籍の手続きを進めているときに、私は「国際離婚」という本を読んでいた。
旦那と入籍したすぐあとに、何かあった時の財産分与について文書で記しておきたいと頼んだ。

どちらも旦那さんはびっくりしていた。後者については少し嫌な顔もした。どうして結婚するときに、離婚するかもしれないって考えるのって。

もうすぐ遅ればせながらの結婚式をする身で、こういうことをいうのはものすごく不謹慎な気もするけど、やっぱり絶対一生離婚しませんとも、一生この人だけを愛しますとも、言えないのだ。

そうしたいと思う。旦那のことが好きだし、彼との生活は私にたくさんの幸せをくれる。これをずーっと、命が終わる時まで続けたいと思う。

だけどそうします、とはいえない。分からないのに断言したら嘘になるから。

自分の気持ちほど信用ならないものはないと思う。
思っているよりも簡単なことで、人の気持ちは180°変わってしまったりする。そしてそれはその人が弱いとかその人が悪いとかなんじゃなくて、そういうものなんだと私は思っている。なにしろ自分自身、そんな風にころっと変わって今日のここまで生きてきたわけで。

そんなわけで、夫婦になったばかりのダーリンが悲しげな顔をしてもなお、私は最初の二つをやめなかった。

こういう話をして、すんなり分かってくれる人と、断固否定する人と、綺麗に分かれる。そして自分がころっと変わってしまったことに気付いたあの日よりも前の私だったら、頑として否定しただろうとも思う。

あの頃の私や、その他否定派の人達は、私がこういうことを言うから私の気持ちに揺らぎがあるんだと判断するようだ。だけど、私が言いたいのはそういうことじゃない。

私はこれから、いつもいつも、当たり前じゃなく、その都度旦那といることを選ぶのだ。そのために努力するし、そのために選択するのだ。結婚したから当然一生一緒にいるなんて思えないからこそ、一緒にいるために努力出来るんだと私は思う。

とある掲示板で、婚約相手から「マンションの名義ははっきりしておこう」と言われ寂しがる女性の書き込みを見て、そんなことを思い出した。あっという間に1年半が経っている。そんな調子で本当のジジババになるまで一緒にいよう。

自分の気持ちほど信用ならないものはない」への5件のフィードバック

  1. 小西孝明

    もう、別れて4年近く経ちました。
    彼女はいまだに夢に出てきます。それは悪夢ではなく、なんか良い感じの夢です。
    それを見た僕の気持ちは、せつないでも、悲しいでも、未練やウラミツラミがあるわけでもない。「あ・・また夢で会った・・・。」という感じ。

    僕は彼女と別れてから、いまだ新しい恋人はいません。いいなあ、という女の人はたくさんいるのだけど、夢中になりそうになると自分の中で反射的にブレーキがかかってしまう・・・「また燃え尽きるのはまっぴら」とか、「恋愛は必ず終わりが来るもんだしなあ」という感じ。
    今年三十路だし、いいかげん結婚も考えてはいるんだけども。
    きっと、女性を偶像化してずっと夢見ていたい自分が、リアルですっぴんな人間同士の関係を拒んで、もう4年近く経ってしまっているんですね。

    そうだ・・彼女のことを、僕はきっと偶像化してしまっていたんだ。

    あなたにとってあなたは、あなたそのものだけど、僕のココロの中のあなたは、あなたそのものを超えたひとつの”イデア”みたいなものになってしまっていたんだ。

     
    そして僕はまだ、その”イデア”を夢見てる幼き麗しき青年のままなんだ。

    でも、彼女と別れて、”何か”が確実に終わってしまった。
    僕が抱きしめ、愛したいと夢中になっていたあなたは、本当は”蜃気楼”だったことを知ってしまったことで、”何か”が完全に終わってしまった。
    ”何か”とはなんだろう・・・青春?純粋?美しさ?永遠?・・完成されたもの・・。
    完成されたものは、実在するはずもないもの・・。
    僕はいまだにそれが実在すると信じているんだろうか。
    もしかしたら、彼女と別れてから僕の時間は止まってしまったのかもしれない。じゃあどうしたら止まってしまった時間を動かせるのだろうか。

    「ほら、もっと気楽に肩の力抜いて、かっこつけないで、素直に好きなものは好き、嫌いなものは嫌いと自分自身でちゃんと受け止めるんだよ。そう、ありのままでいいんだ・・・」そうだ、答えはきっと単純で明快なんだ。

    その答えをちゃんと受け止めた時、僕の青年時代はきっと終わるんだな。そうだよきっと・・。

    うん、なんか少し明日が見えてきた気がする。よし。

    結論、

    彼女は、僕にとって完成された存在のはずでした。
    それをどうしても信じたくて4年の歳月が過ぎ去ったのかな・・。

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  2. 久しぶりすぎて、ちょっと動揺しました。
    時々酋長さんのMixi日記で読んでいます。
    相変わらずの語り口・笑。
    でも最後が前向きで良かった。

    恋愛を続けていくことにも、結婚して一緒に暮らしていくことにも、
    どちらも努力が必要なんだと、教えてくれたのはあなたです。
    求めているだけではダメなんだと教えてくれた。

    幸せになってね。

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  3. 小西孝明

    そうなんです、酋長さんに会うと、大抵レモンの話が出るんで(笑)いろいろと情報を教えてくれるわけです。彼はなぜか、レモンが気になるようでよくチェックしてるみたいなんだよ。

    遅いですが、ご結婚おめでとう!
    外国だし苦労も多いだろうけど二人でどうか乗り越えてください。

    僕は彼女こそいませんが、そこそこまあまあ、らしく生きてます。ライヴ活動は全然してないんだけど今は音楽療法士の学生です。最近はピアノなんか弾けちまうんです。すごいっしょ??音楽療法士、現在仕事自体は全然ないのでたいへんですが、少しずつ日本でも認知されていくんじゃないですかね。

    しばらくギターから離れていたんだけど、最近はギター熱が再燃しつつあります。あんまりロックやフォークギターは興味なくて武満徹のギター集とか、木村大とかとてもいいです。

    ではでは!

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  4. ありがとう。

    音楽療法士の学生!カーキ君も夢に向かって進んでいるんだね。
    日本はまだまだレールの敷かれた国だから、自分の好きなことを突き詰めるって障害が多いと思うけど、それができるのはとても幸せなことだと思うので、どうかそのまま突き進んでください。

    クラシックギターなら、木村大もよく演奏するAndrew Yorkがおすすめです。まるで絵画のように、景色が広がるメロディーだよ。

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  5. 小西孝明

    そのまま突き進みます。

    どうもありがとう!

    Andrew Yorkチェックしてみるね。

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