COVIDによる外出制限で、街から人や車がいなくなり、空気がきれいになって動物達が生き生きしている、という記事をいくつか目にする。
ここナントも、普段は常に空に飛行機雲が何本か見えるのが、全く見えない(たしかまだ空港は閉まっている)。確かに鳥達や猫達が、いつもより自由に過ごしているように見える。
でも1月の中国の時点から、COVID関連のニュース映像を見るたびに、私の中では一つの懸念が大きくなっている。それは、消毒という名の細菌バイオームの破壊という懸念。
COVIDの渦中にあって、そういう発言は不謹慎と取られるのかもしれないが、街中に消毒液を散布し、人々が手を数時間おきに消毒するというのは、細菌の世界から見たらものすごい大規模侵略&虐殺になるはずだ。
細菌も命あるものだからとかいうことではなく、目に見えない細菌は私たちの知らない均衡の上に成り立っていると考えると、私たちのこの潔癖とも言える消毒行為によって、その絶妙なバランスが崩れ、これまで抑えられていた細菌が大繁殖するリスクが高くなると思うからだ。それが私たちに直接的な症状を起こすものでなければ、私たちがその事実に気づく頃には、もう手遅れになっているほどに細菌バイオームの構成が変化してしまっているだろう。
無責任な仮説を述べるとすれば、他の対抗するウィルスがいたほうが、COVIDの広がりを抑えられる可能性だってあるだろう。手洗いうがいが大事であることは認めるとしても、毎回アルコール消毒をする必要が本当にあるのだろうか。もっといえば、そもそも子供達が学校で一緒に1日過ごすのに、毎時間手を洗わせることでCOVIDは防げないと思うのだ。むしろ、子供達の肌の常在菌バランスが崩れてしまうだけなのではないか。
昨年の秋頃に、細菌関連の本を2冊ほど読んだ。
これまでも藤田さんの著書などで、腸内環境や腸内細菌によって免疫に影響があるというのは知っていたが、腸内細菌が脳神経にまで影響するという新しい発見や、私たちが「自分」だと思っているものの一部は細菌による作用だったりすることを知った。そういう視点から考えると、むやみやたらな消毒は、人間自身への攻撃に他ならない。
消毒=是という考えもまた、バランスが崩れたものだと思うので、そこをもう少し考えていきたいし、今のこの集中消毒による細菌バイオームの変化を意識して見守っていきたい。こちらの記事を読んでそんなことを考えた。