そこは完成された世界。
ここに私がいて、あなたがいる。
私の言葉にあなたが笑う。
あなたのその表情が私をなごませてくれる。
そこに用意されているのは、試練のような顔をしたたくさんの冒険。
私たちがお互いをより必要とするように。
すべてのピースがきれいに組み合わさったようなこの世界。
すべてがちょっと刺激的で、それだけ中毒性の世界。
それでも私には置いてきた世界がある。
あなたにも、置いてきた世界がある。
そして私たちは、時間が経てばそこに戻らなければいけない。
そこには私を待つ人がいる。
守るべき人がいてやるべき仕事がある。
なぜこんなにもかけ離れた世界へ来てしまったのだろう。
何一つ変わらなかったような顔をして、
あの場所へ戻らなくてはいけなくなるのに。
無限に続くような錯覚をおこさせるこの世界は
じきこの世から消えてなくなってしまうだろう。
世界のどこへ行っても、宇宙の果てまで行っても、
この世界を見つけることはできなくなってしまうだろう。
それでも、それからも、私とあなたの心には
永遠にこの世界が息づいている。
そしてまるで小さな宇宙のように、きらきらと輝くことだろう。